数枚の試作に最適な切削基板

前回の記事まで、格安のPCB試作メーカーを紹介してきました。今回の記事では、切削基板を紹介したいと思います。数枚の試作基板を早く作りたい場合に適しています
切削基板とは、生基板(ベークライト等の板の表面に銅箔を貼ったもの)の銅箔を削る事により回路パターンを作製した基板の事です。必要なものは以下になります。

【必要なもの】
・PCB CADのデータを基板加工機の読み取れるデータ(NCコード等)に変換するソフト等
・基板加工機を制御するソフト
・基板加工機(基板専用機やCNC加工機など)
・エンドミル、V字カッター、ドリル等の加工用の刃物
・生基板
(注意)システム構成によって必要なものは多少異なる。

さて切削基板の長所と短所ですが、以下の様になります。

【長所】
・エッチング基板に比べると廃液処理などの問題がなくて楽。
・四角形以外の外形のカットも容易
・数枚ならば納期が短い。

【短所】
・最大、両面(2層)まで。
・両面の場合、基板を反転させる際に、位置合わせを正確に行う必要がある。
・加工範囲などの制約から大きな基板サイズには向かない。
・パターン外の銅箔を取り除くのが難しい。
・細かいパターンへの対応に限界がある。
・エンドミルやドリルは消耗品なので維持費がかかる。
・基板加工機が高い。(100万円弱くらいから?)
(参考)専用機メーカーのサイト
MITS
イープロニクス

さて以上の様な長所と短所がありますので、次の項目に当てはまる場合に適しています。
・2層迄で可
・大きくないサイズ
・数枚必要
・短納期で入手したい

CNC加工機を持っている場合は、PCB CADのデータをNCコードに変換するツールパスを確保できれば、転用可能です。基板加工機の専用機は高価ですが、最近は転用可能なものや20万円くらいの簡易機も出ているので、次回ご紹介したいと思います。

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