円安が進んだものの日本の貿易赤字額は増大し、製造業の空洞化や競争力低下が指摘されています。日本の「ものづくり」については、悲観的な意見も多く、また世界にける日本製造業の存在感は相対的に低下しているのは否めない事実でしょう。
ですが、easy laboは、むしろ現在は「ものづくり」企業あるいは起業にとって最大のチャンスなのではないかと考えています。東南アジアをはじめとするライバル企業の存在など競争相手の多様化や少子高齢化による日本市場の縮小などマイナス要因もありますが、次に示すような数多くのプラス要因があり、かつてないほどの恵まれた環境が整いつつあるのではないでしょうか。
1) 設計ツールの低価格化、無料化
高機能のツールが、誰でも無料あるいは低価格で入手可能に。
2) 試作サービスの充実と低価格化
プロトタイピング(試作)については、3Dプリンターの普及や各種試作サービスなどで本当に手軽かつ低コストになりました。
3) 測定機器等の高機能化と低価格化
デジタル・オスロスコープといった基本的な測定器も以前とは比べものにならない低価格で入手できます。
4) 会社設立手続きの簡略化やベンチャー支援施策の広がり
法人設立の手続きも以前とは比べものにならないくらい敷居が低くなりました。また米ほどではないものの、ベンチャー支援の施策も徐々に広がりをみせているのは間違いありません。
5)高い技術力を持つ部品や製造機器メーカーが依然多い
これは、「ものづくり」の基本体力のようなもので、大きな強みと言えるでしょう。
6) ソーシャルネットやインターネットの普及で世界視野の営業・販売チャンネルの構築が容易に
ネットが世界に及ぼした影響は、やはり非常に大きく、これからも発展し続けるでしょう。情報発信だけでなく、クレジット決算の代行など商業面でも参入障壁が低くなってきています。
さて上記の要因のうち、(4)(5)以外は日本以外の世界中で、ほぼ共通の条件ですので、(4)(5)のファクターを上手く活かしていくのが大切な事に思えます。
欧米先進国においても、製造業の勢いは一時衰えましたが、創造型の「ものづくり」企業は、急成長を遂げています。たとえば身近な例を家電関連で挙げえるなら、掃除機を製造販売しているダイソン社やiRobot社が良い例でしょう。
つまりは見方を変えれば、創造型「ものづくり」企業に関しては、環境面においては、一度製造業の成熟期を迎え、それを乗り越えた米の状況に徐々に近づきつつあると考えられます。日本においては、更に施策面の充実を図りつつ、多くの有力な部品・製造機器メーカーを抱える地の利を活かしていくのが、やはり得策でしょう。
ユニークで創造性にあふれた「ものづくり」を念頭においた活動さえ続ければ、意外にチャンスは多いのではないでしょうか。
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