LTspice入門:各種電源

LTspiceのシミュレーションでは、様々なタイプの電源で波形を発生させる必要があります。

そこで今回は、各種電源のプロパティ設定について取り上げたいと思います。

電源のプロパティ

電源の回路図への配置は、通常の部品の配置を同様の手順で行えます。”Select Component Symbol”メニューで、”voltage”を選択します。

(Select Component Symbol)
ltsp_win_voltage_source_1

電圧源の回路シンボルです。

(Voltage Source Symbol)
ltsp_win_voltage_source_2

電圧源のプロパティ設定は、電圧源のシンボルを右クリックして行います。

(R Click)
ltsp_win_voltage_source_3

デフォルトは、DC電源で以下のプロパティしかありません。

DC電圧源のプロパティ
DC value [V] : DC電圧値
Series Resistance [Ω] : 電源の直列抵抗値

より特殊な電源を使用したい場合や、AC関連の設定等を行うには、”Advaced”ボタンをクリックします。

(R Click→Advanced)
ltsp_win_voltage_source_4
次項で、各種電源について見ていく事にします。

各種電源のプロパティ

下記の様な、電源メニューが表示されます。

(Voltage Souce: PULSE)
ltsp_win_vs_pulse_1
パルス電源です。下記の設定項目があります。
Vinitial [V] : イニシャル値
Von [V} : ON値
Tdelay [s] : 動作開始までの遅延時間
Trise [s] : ONするまでの立ち上がり時間
Tfall [s] : OFFするまでの立下り時間
Ton [s] : ON時間
Tperiod [s] : 一周期の時間
Ncycles : 繰り返し数(指定したい場合は記入)

(Voltage Souce: SINE)
ltsp_win_vs_sine_1
SINE波電源です。下記の設定項目があります。
DC offset [V] : オフセット電圧値
Amplitude [V] : 振幅値
Freq [Hz] : 発振周波数
Tdelay [s] : 動作開始までの遅延時間
Theta [1/s] : ダンピング係数。指数的に減衰します。
Phi [deg] : 位相差。90度を指定すればcosinとなります
Ncycles : 繰り返し数(指定したい場合は記入)

(Voltage Souce: EXP)
ltsp_win_vs_exp_1
指数パルス波電源です。下記の設定項目があります。
Vinitial [V] : イニシャル値
Vpulsed [V] : 波形の最大値。
Rise Delay [V] 波形(パルス)が立ち上がるまでの遅延時間
Rise Tau [s] : 立ち上がり時の時定数
Fall Delay [s] : 波形が経ち下がるまでの遅延時間
Fall Tau [s] : 立下り時の時定数

(Voltage Source: SFFM)
ltsp_win_vs_sffm_1
Single Frequency FM波電源です。下記の設定項目があります。
DC offset [V] : オフセット電圧値
Amplitude [V] : SINE波形の振幅
Carrier Freq [Hz] : キャリア周波数
Modulation Index : モジュレーション・インデックス
Signal Freq [Hz] : 信号周波数

(Voltage Souce: PWL)
ltsp_win_vs_pwl_1
Piece-Wise Linear波電源。(時間,電圧値)のリストを直線で結んだ波形になります。下記の設定項目があります。
time(n) [s] : n時点の時間
value(n) [V] : n時点の電圧値

(Voltage Souce: PWL FILE)
ltsp_win_vs_pwl_file_1
PWL電源ですが、ファイル入力です。PWLの波形ポイントをファイルで指定したものになります。

共通項目
以下は、共通のパラメータ設定です。

Small signal AC analysis(.AC)
小信号解析用のパラメータ
AC Amplitude : AC波形の振幅
AC Phase : AC波形の位相

Parasitic Properties
Series Resistance [Ω] : 直列抵抗値
Parallel Capacitance [F] : 並列容量

→その他のLTspice関連情報

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