今回は、Aruduino UNO基板を利用してATmega328Pのターゲット・ボードとして使用する方法を紹介したいと思います。
Arduino基板を利用するメリット
Arduinonには、ATmega88系のマイコンが使用されています。よってArduino Bootloader無しのマイコンに変えれば、ATmega88系マイコンボードの完成です。この方法には、マイコンが差し替えられるDIPパッケージが採用されているArduinoが便利ですので、以下DIPパッケージのATmega328Pを使用している、Arduino UNOを例に解説していきます。
さて手順としては、下記の通りです。
(1)Arduino UNOのATmega328Pを外す
(2)Arduino Bootloader無し(新品)のATmega328PをArduino基板に載せる
この方法ならば、元のATmega328Pに戻せばArduinoとしても利用でき、必要に応じて選択する事も可能になります。
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さて、Arudino基板を利用する利点としては、以下が挙げられます。
(1)シールドが利用できる
(2)マイコンを差し替える事により、Arduinoとしても利用可能
(3)入手しやすく安価
Arduino基板は、アイディアを試すには、もってこいのハードウエア・アイテムですので、一つ入手しておく事をお勧めします。
ライタでのファームウエア書き込み
Arduino UNOのマイコンをArduino Bootloader無しのATmega328Pに差し替えると、ライタを使用してファームウエア書き込みを行わなければなりませんが、Arduino UNO基板にあるISPピンにAVRISP mkIIなどのライタを接続して、問題なく書き込みを行えます。
debugWIREでのデバッグ
ATmega328Pは、debugWIREでのデバッグに対応しています。ですが、幾つかArduinoボードに手を加えないと、debugWIREでのデバッグが上手くいかない場合があります。具体的には、Arduino UNOの基板に以下の改造を加えます。
・RESET-ENの配線をカットする。
・配線パターンを削りたくない場合は、代わりにC5を外す。
・上記の処置をしても安定しない場合は、D2を外す。
回路図に対応する基板パターンは、次図のに示す箇所になります。なお、C5も、RESET-ENのパターンのすぐ隣にあります。
debugWIREの制約条件
何故この様な改造が必要になるかというと、debugWIREには次の様な制約があるためです。
debugWIREのRESET/信号の注意点
(1)RESET/ピンに接続される配線に容量を接続しない。
(2)RESET/のプルアップ抵抗は、10kΩより高い抵抗値に設定する。
これは、debugWIREでは、RESET/をデバッグ信号線として使用する為です。Arduino UNOのプルアップ抵抗RN1Dはアレイ抵抗なので、プルアップ抵抗値を増やす事は難しいですが、それ以外の容量性の部品を外しているのが、前項で述べた改造になります。
まとめ
AtmelマイコンをArduino Bootloader無しのものにすれば良いだけですので、この方法は簡単です。ただdebugWIREでデバッグを行いたい場合のみ、若干の改造が必要になります。改造といっても、カッターナイフ一本か半田ごて一本で出来る簡単な作業です。
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