米Appleは2015年1月27日、2014年10~12月期の決算を発表しました。iPhone 6/6Plus新発売が寄与するので好決算が予想されていましたが、市場の予想を大幅に上回る結果となりました。
Appleの2014年10〜12月期決算
昨年秋のiPhone 6/6Plusの発売以降、色々と言われてきたAppleですが、蓋を空けてみれば下記の様な非常に良い内容となりました。
売上高: 745億9900万ドル(約8兆8,800億円)。前年同期比30%増
純利益: 180億2400万ドル(約2兆1268億円)。前年同期比37.9%増
大幅な増収増益を達成しましたが、これは日本を代表する電機メーカーであるパナソニックやソニーといった大手企業の年間売上高と同等かそれ以上のレベルに到達しています。Apple社の製品数が日本の電機メーカーに比べて非常に少ない点や高い純利益率を見ると、もはや何歩も先を歩んでいる存在である様に思えます。念のため、さらに製品セクター別の状況を見てみる事にします。
・iPhone販売台数: 7446万8000台(前年同期比46%増)
日本を除く全ての地域で売上げを大幅に拡大しているが、特に中国市場の伸びが大きい模様。
・iPad販売台数: 2141万9000台(前年同期比18%減)
やはり、iPhone6/6Plusの押上げ効果が非常に大きかった様です。
Appleの「ものづくり」
好調な同社の決算ですが、日本で生活していても製品が売れているのは十分に実感できるのではないでしょうか?通勤電車や町中では多くのiPhoneを見かけますし、都内でスターバックス等のカフェに出かけると、もうMacだらけなのが当たり前の光景になっています。
easy laboは「ものづくり」の情報サイトですので、ここで、Apole社の「ものづくり」企業としての強みや魅力はどこにあるのか考えてみる事にします。
(1)デザインの統一感がブランドイメージを確立
アップルは、現在は全製品にアルミを中心とした共通素材やデザインを採用しています。例えるならイタリア製の高級バッグ・メーカーの様なブランドイメージを、この分野において確立したと言えるのではないでしょうか。例えばパナソニックのレッツノート等も、ある程度の統一感はありますが、あくまで、一つの製品シリーズに限定されたものですので、会社全体の製品イメージが統一されたAppleの状況は規模的に見ても極めて珍しい事でしょう。
(2)細部までこだわった「ものづくり」の完成度の高さ
iPhoneは、ガラスや本体部品との整合性の高さといった技術的な事は、もちろんシンプルで無駄のないデザインや使い勝手など、依然ライバルのスマートフォンがベンチマークする対象の筆頭である事は間違いないでしょう。
また、iPhoneだけでなく、Macの造り込みも他社のパソコンが安っぽく見える程にしっかりしています。MacBook Airの最廉価モデルは、11型液晶でCore i5を搭載し、4GBメモリーに128GBのSSDという構成でボディーは、アルミを削り出しボディーです。これで8万円台といったところですので、実売ベースでWindowsパソコンと比べても非常に安く、品質的に同じ価格で勝負する事は他社にとって非常に難しいと考えられます。ちなみにIDCの調べでは、米国の2014年の第4四半期だけでMacが575万台が売れ、過去最高のシェア(7.1%)を記録したとされています。
(3)OS、ハード、ストアなどをApple社で一貫して提供
単に良いハードウエアを売るという発想に留まらず、音楽やアプリなどのコンテンツ販売を含めたエコシステムの確立に成功したのは、ビジネスの観点からみてエポックメイキング的な事柄だったと言えるでしょう。
おそらく同価格帯で比較すると、Appleは、一ランク高いレベルの製品を市場に投入している事は間違いないでしょう。ですがライバル各社には、Appleの後追いではなく創造性溢れたユニークな製品を投入して市場を盛り上げていって欲しいと思います。
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