Atmel Studio入門:JTAGのデバッグ設定

デバッガを利用した開発は、非常に便利かつ効率的です。Atmel社のマイコンとデバッガを接続する方式には、JTAGとdebugWIREがありますが、今回は、JTAGを使用したデバッグの設定について説明していきます。

ターゲットデバイスは、JTAGデバッグに対応した製品である必要があり、入手性の良いものとしては、ATmega1284Pが挙げられます。なお、debugWIREによるデバッグ方法に知りたい方は、記事「debugWIREのデバッグ設定」を参考にして下さい。

“Project”の”Properties”設定

まずJTAGデバッグの為に、プロジェクトのプロパティを設定します。”Project”→”(Project Name) Properties…”を選択します。

(Project → * Properties…)
ast_jtag_debug_1

“Tool”タブを選択します。

(Tool)
ast_jtag_debug_2

“Selected debugger/programmer”で、使用するデバッガを選択します。数字の部分はシリアル番号で変わります。”Interface”は、JTAGに設定しておきます。JTAGのクロック周波数は、ターゲットデバイスのクロック周波数の4分の1以下に設定する必要があります。

(Debugger Settings)
ast_jtag_debug_3

設定が終了したら、設定内容を保存します。

(Save Selected Items)
ast_jtag_debug_save_1
以上で、プロジェクトのプロパティ設定は終了です。

“Tools”の”Device Programming”

次に、JTAGデバッグの為のヒューズ設定を行います。”Tools”→”Device Programming”を選択します。

(Tools → Device Programming)
ast_jtag_debug_4

“Tool”、”Device”、”Interface”の内容が合っているのを確認して、”Apply”ボタンをクリックします。

(Interface: JTAG)
ast_jtag_debug_5

正常に接続が確立されると、各種設定が行える様になります。

(Device Programming)
ast_jtag_debug_6

“Memories”で、デバッガ経由でもファームウエアの書き込みが行えます。

(Memories)
ast_jtag_debug_7

手順はライタを使用した場合と同様です。

(Flash Programming)
ast_jtag_debug_8

“Fuses”を選択します。JTAGデバッグを行う場合は、”JTAGEN”ビットが有効になっている必要があります。有効になっていない場合は、ヒューズ設定を変更しておきます。なお”OCDEN”もJTAGデバッグの為のビットですが、設定の必要はありません。

(Fuses, JTAGEN)
ast_jtag_debug_9

ヒューズ設定手順は、記事「ファームウエアの書き込みとヒューズ設定」で詳しく解説していますので、そちらを参考にして下さい。

JTAGデバッグの開始と終了

JTAGデバッグの設定終了後、”Start Debugging”アイコンやショートカットキー”F5″でデバッグを開始します。

(Start Debugging)
ast_jtag_debug_10

デバッグの終了は、”Stop Debugging”アイコンかショートカットキー”Ctrl + Chift + F5″などで行います。

(Stop Debugging)
ast_jtag_debug_11
なおデバッグ操作やデバッグ用メニュー詳細については、別記事で取り上げる予定です。

まとめ

以上、JTAGデバッグの設定手順について説明してきましたが、debugWIREの場合と比べて非常に簡単です。実際の開発においては、今回説明した手順の前に、ターゲットデバイスのJTAGピンとデバッガの端子を正しく接続しておく必要があります。ピン配置やデバイス側の端子との対応については、別記事にて取り上げていきたいと思います。

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