LTspiceのシミュレーション波形のデータをファストアクセス正式へ変換する方法について解説します。
LTspiceのシミュレーション結果ファイルのデータ形式
LTspiceのシミュレーション結果は、*.RAW拡張子のファイルに保存されます。.SAVEコマンドで保存する電圧ノードや電流名を指定しない場合、回路中の全ての電圧と電流を保存する事になります。そのデフォルトのデータ形式は、全てのデータを時系列順に保存した次の様な形式になります。
デフォルト形式のデータ保存
time@t1, V(N001@t1), … , V(N###@t1), I(##1@t1), … , I(###@t1),
time@t2, V(N001@t2), … , V(N###@t2), I(##1@t2), … , I(###@t2),
…
time@tn, V(N001@tn), … , V(N###@tn), I(##1@tn), … , I(##1@tn),
シミュレーションのデータ数=nが多い時は、上記のデータから任意のデータを時系列順に拾い出してプロットの描画を行う事になり、非常に時間がかかります。
一方、デフォルトの形式ではなく、全ての電圧・電流データを各々、時系列順に並べて整理した形式を、ファストアクセス形式と呼びます。
ファストアクセス形式のデータ保存
t1,t2, … tn,
V(N001@t1), V(N001@t2), … , V(N001@tn),
…
V(N###@t1), V(N###@t2), … , V(N###@tn),
I(##1@t1), I(##1@t2), … , I(##1@tn),
…
I(###@t1), I(###@t2), … , I(###@tn),
このファストアクセス形式の場合、データを選択する手間が省けて、プロットに要する時間を短縮する事ができます。
ファストアクセス形式への変換
シミュレーション完了後、プロットのメニューから、File→Convert to Fast Accessを選択するとデータ保存形式をファストアクセス形式に変換する事ができます。
なおシミュレーション結果のサイズが大きい程、データの変換にも時間がかかります。
また、シミュレーション用の回路図中に、次のオプションを記述しておくと、シミュレーション実行後に自動的に、データ形式がファーストアクセス形式に変換されます。
.OPTIONS fastaccess
Sponsored Link