CNC工作:加工原点、切り込み値、移動可能なZ値

前回の記事では、Jw_cadを使用したCNC工作の例を説明しました。ORIGINレイヤ円を描画すると、NCVCでは、その円の中心が加工原点に設定されます。今回は、実際の工作における加工原点について取り上げたいと思います。

XY座標の加工原点

XY座標の加工原点(図中のXYorigin)ですが、実際のCNC工作においては、工具やセンサで加工物の端面を捉えた後、切削工具の径の半分だけ移動させれば、矩形の角に中心を合わせる事ができます。
cnc_xy_zero_2

センサなどがない場合は、加工物の少し内側に加工原点を設定します。この場合、仕上がり寸法にたいして材料が大きい必要があります。また外形を切り出す必要がありますが、手軽な方法と言えます。
cnc_xy_zero_3

Z座標の加工原点

Z座標の加工原点(図中のZorigin)は、通常センサで検出しますが、センサがない場合は、次の様な応急措置が考えられます。
切削工具の固定を緩めて加工材料表面に切削工具の先端をゆっくりと着地させます。その状態で切削工具を再び固定すれば、その位置を加工原点ととすることができます。ただし、この方法は危険ですので、CNCの切削工具が絶対に動かない状況で作業する必要があります。あくまで樹脂素材をターゲットにしている出力の低い小型CNCにおける応急措置的な対応と言えます。また、たとえ小型でもCNCは危険な機械ですので、十分に注意して作業を行いましょう。
cnc_z_zero_1

切込み値と移動可能なZ値

切り込み値は、切削工具で最終的に加工する深さになります。上図では、Zcutにあたります。また移動可能なZ値は、切削せずに切削工具をXY方向に移動する際などに、Z軸方向に切削工具を上げる場合の高さになり、上図では、Zhighになります。これらの値は、CAMでNCデータを生成する時に必要になります。

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カテゴリー: CNC