Atmel社のAVRシリーズは、非常に使いやすく価格も安いので、初心者の方にもお薦めできるマイクロコントローラーです。
Atmel社とは
日本では、それほど知名が高くないAtmel社ですが、世界市場でみると採用実績の豊富な大企業です。例えば、2011年のシェアで見ると世界3位のマイコン・ベンダーになります。
2011年のマイコン・シェア
1. Renesas Electronics 17.3%
2. Freescale Semiconductor 10.1%
3. Atmel 7.4%
類似したカテゴリなので、良くMicrochp社のPICとも比較されますが、使い勝手は、後発故に良く研究され洗練されているAVRシリーズに軍配が上がると思います。なお、Microchipは過去に、On Semiconductor(Motorolaから分離した、Analog ICベンダー)と共同でAtmelに敵対的買収を行ないました。当然のようにAtmelは拒否。その最中、景気後退の影響で、On Semiconductorが脱落し、Microchipは引き続き単独で買収提案を出すものの、2009年2月には遂に断念しました。
AVRシリーズの量産出荷は、1997年からで比較的後発ですが、ゼロから出発してMicrochipを追い越し世界3位に躍進したのは、非常に使いやすい製品を投入し、市場の支持を得て成長してきた証左と言えるでしょう。
AVRの魅力
AVRシリーズという名称は、設計者であるAlf Egil Bogen と Vegard Wollanの名前と、採用しているRISCアーキテクチャーの頭文字をとって命名されました。AVRシリーズの魅力は、その使いやすさにありますが、具体的な点を列挙してみたいと思います。
1) 素直で洗練されたRISCアーキテクチャー
2) ほとんどの命令が1クロックで実行可能(1MHzあたりの計算能力が1MIPS)
3) 基本的なCPUコアのアーキテクチャが変わらず、RAM空間がリニアなので、製品間のプログラム移植性が高い。
4) ISP (In-System Programming) に対応
5) 統合開発環境が無料で提供される
6) 入手性も高く、価格も手頃
AVRシリーズの開発情報
AVRシリーズの開発環境は、従来AVR Studioが提供されていましたが、最近は、Atmel Studioに変わっています。そのせいもあり、最新の開発情報は、WEB上では豊富ではありません(特に日本語)。ですが、AVRシリーズは、上記の理由から比較的小規模のシステムを構築する際は未だ魅力的なソリューション一つです。その様な背景から、easy laboでは、今後AVRの開発についても取り上げていく予定です。
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