LTspiceのコントロールパネルでは、様々な設定を行う事ができます。コントロールパネルには、9つのタブがあり各カテゴリの設定メニューがありますが、今回は、Compressionタブについて取り上げていきたいと思います。
コントロールパネルは、アイコンかメニューのTool→Control Panelから開きます。なお、アイコンやメニューについては、記事「LTspice入門:インターフェース」を参照して下さい。
コントロールパネルのCompressionタブは、次の様な画面となっています。
ASCII data files
このオプションにチェックを入れると、出力データの形式をASCIIフォーマットにする事ができます。ただし、ASCIIフォーマットは、データサイズが大きくなるので、注意が必要です。
Only compress transient analyses
Transient(過渡)解析の出力データを圧縮する事ができます。
Enable 1st Order Compression
1次の圧縮を有効にする事ができます。
Enable 2nd Order Compression
2次の圧縮を有効にする事ができます。
Window Size(No. of Points)
1〜2,000の範囲でポイントの圧縮率を設定する事ができます。2,000を設定すると、2,000ポイントが1ポイントに圧縮されるので、圧縮率は、1/2,000となります。1の場合は、1/1なので圧縮はされません。なお、これらの処理は、シミュレーション後のデータに対して行われるので、計算精度を落としている訳ではありません。
回路図上に、次の様な.OPTIONS記述をする事でも指定する事ができます。
.OPTIONS plotwinsize=300
ただし、
.OPTIONS plotwinsize=0
と指定すると、Enable 1st Order Enable、Enable 2nd Order Enable、Windows Size(No. of Points)の設定に関わらず、全ての出力データの圧縮は無効となるので、注意が必要です。
Relative Tolerance
データ圧縮前で許容する相対誤差で、
.OPTIONS plotreltol = [設定値]
記述で指定する値に相当します。
Absolute Voltage tolerance[V]
データ圧縮で許容する電圧の絶対誤差で、
.OPTIONS plotvnltol = [設定値]
記述で指定する値に相当します。
Absolute Current tolerance[A]
データ圧縮で許容する電流の絶対誤差で、
.OPTIONS plotabsltol = [設定値]
記述で指定する値に相当します。
以上の様に、Compressionタブの幾つかの設定は、回路図中に、.OPTIONS構文を記述する事により、上書き設定が可能で、コントロールパネルの設定を無視して任意の設定とする事も可能です。
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