LTspiceのコントロールパネルでは、様々な設定を行う事ができます。コントロールパネルには、9つのタブがあり各カテゴリの設定メニューがありますが、今回は、SPICEタブについて取り上げていきたいと思います。
コントロールパネルは、アイコンかメニューのTool→Control Panelから開きます。なお、アイコンやメニューについては、記事「LTspice入門:インターフェース」を参照して下さい。
コントロールパネルのSPICEタブは、次の様な画面となっています。
Default Integration Method
trapezoidal、modified trap、Gearの3つの中からデフォルトの積分計算方法を選択します。
Default DC solve strategy
DC動作点を解析する場合に、Noopiter、Skip Gmin Steppingのオプションを適用するか選択します。初期設定では、通常どちらも選択されていません。
Engine
Engineの欄には、3つの設定項目があります。
Solver[*]
シミュレーション計算の解法として、Normal、Alternateの2種類の方法を選択する事ができます。Alternateは、Normalより通常、2倍の時間が必要ですが、内部精度は、1,000倍程度高い傾向があります。なお、Solverの選択は、.OPTIONSコマンドでは行えません。
Max threads
LTspiceでは、使用しているパソコンのCPUコア数によって、最大スレッド数を自動検出します。検出値より大きくする事はできませんが、小さく設定すると、より長いシミュレーション時間が必要になります。
Matrix Compiler
通常、デフォルトのobject codeに設定しておきます。
Tolerance(許容精度)とCapacitance、Conductanceに関する設定
Gmin
全てのPN接合に加えられるコンダクタンスの値で、
.OPTIONS Gmin = [設定値]
の構文でも指定する事ができます。
Abstol
電流の絶対誤差の許容値で、
.OPTIONS abstol = [設定値]
の構文でも指定する事ができます。
Reltol
相対誤差の許容値で、
.OPTIONS reltorl = [設定値]
の構文でも指定する事ができます。
Chgtol
絶対電荷の許容値で、
.OPTIONS chgtol = [設定値]
の構文でも指定する事ができます。
Trtol[*]
トランジェント誤差の許容値で、
.OPTIONS trtol = [設定値]
の構文でも指定する事ができます。
Volttol
絶対電圧の許容値で、
.OPTIONS vntol = [設定値]
の構文でも指定する事ができます。.OPTIONSで指定する場合は、なお、Volttolではなく、vntolとなります。
Sstol
steady-state検出の相対誤差で、
.OPTIONS sstol = [設定値]
の構文でも指定する事ができます。
MinDeltaGmin
Gmin Steppingの繰り返し回数で、
.OPTIONS MinDeltaGmin = [設定値]
の構文でも指定する事ができます。
その他の設定
Accept 3K4 as 3.4K[*]
この設定を有効化すると、3.4Kを3K4と表記する事が可能になります。
No Bypass[*]
通常、チェックを入れて、Bypassは無効にしておきます。Bypassを有効化すると、直前の素子のV-I特性を再利用して解析時間を短縮する事ができます。
Bypass無効の場合は、下記の様に.OPTIONS記述をします。
.OPTIONS bypass = 0
Bypass有効の場合は、下記の様に.OPTIONS記述をします。
.OPTIONS bypass = 1
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