SPICE入門:DCフローティングノードの注意事項

一般的なSPICE系の回路シミュレータの場合、DC(直流)的にフローティングになっている箇所があると、解析ができない場合があるので、注意が必要です。

例えば次図(a)の点Aは、DC(直流)的にフローティングになっている箇所の一例です。

(Floating Node Example)
dc_floating_node_1

この場合、DCの動作点を確定する事ができないので、図(b)に示す様な方法で、DC的なフローティングを解消する必要があります。この例では、非常に大きな抵抗値の抵抗をフローティング・ノードとグラウンドの間に接続してDC動作点が定まる様にしています。

この様なDCフローティングのケースにおいて、SPICE系のシミュレータの場合、対応は次の2通りとなります。

(1) DC的なフローティングを図(b)に示す様な方法で回路図上で修正する必要があるもの。
(2) 自動的に図(b)に示すような処理が行われ、回路図上で特に対応が必要ないもの。

例えば、Pspiceの場合は(1)の対応を行いますが、LTspiceの場合は、(2)の対応でシミュレーションが可能です。またシミュレータによっては、自動的に各ノードに接続される抵抗の値(電流の値)をパラメータで設定できる場合もあります。

以上の様に、DC(直流)的にフローティングになっている場合、その対応方法はシミュレータ毎に異なります。一見、自動的にフローティングを解消するシミュレータの方が便利に思えるかもしれませんが、裏返せば人為的なミスをしても、シミュレーション可能となってしまうので、設計の際には注意が必要と言えるでしょう。

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