このサイトでは、今まで電気・電子回路系の技術情報をメインに扱ってきましたが、それに留まらず材料の加工や造形などについても扱って行きたいと考えています。まず最初に今回から、CNCについて取り上げていきたいと思います。
CNCとは?
CNCとは、Computer Numerical Controlの略となりますが、一般的には工作機械の動作をコンピューターによりデジタル制御する意味として使われています。またComputerを省略してNC工作機という場合もあります。
工作機と制御コンピュータが一体化された業務用のCNC工作機は、価格が数百万以上する場合もありますが、現在では、パソコンから工作機械を制御するソフトウエアCNCと呼ばれるタイプの物も広く普及しており、こちらは個人でも購入可能な価格帯になっています。
このタイプのCNC加工機は、以前の記事で紹介したオリジナルマインドでも扱っていますので、製品に関心のある方は、同社のホームページをご覧ください。
CNCフライスとは?
したがって、CNCフライスとは、フライス盤をCNC化した工作機械なりますが、少しフライス盤自体について触れておきたいと思います。フライス盤は工作機の一つで、加工対象物を可動式のテーブル上に固定し、回転軸の先端に取り付けた切削工具の刃先で対象物を切削し形状加工を行う工作機です。フライスとは、ドイツ/フランス語圏では刃先を意味する言葉で、これがフライス盤と日本で呼ばれる語源となったと言われています。
ちなみに日本でしかフライス盤という呼ばれ方は使われていません。Milling Machineと英語で言うのが一般的です。
なお、これからの連載記事では、このCNCフライス(CNC Milling Machine)を念頭に記事を構成していく予定です。
CNCフライスの原理
実際のCNCフライスの動作原理イメージは下図の様になります。加工テーブルに対象物をしっかりと固定し、X、Y、Zの3軸方向へ正確に移動を制御しながら、加工物を切削して形状加工します。
なお、人手による加工に比べて、正確な形状加工が可能となり再現性も高いのは、以下の理由によります。
(1)CADで設計したデータで正確に制御を行う。
(2)X、Y、Z軸の軸精度や水平度を十分に上げた機構を構成しておく。
どの様な加工に向いているのか?
板状あるいはブロック状の加工材料から正確な部品を切り出したり穴加工する場合に適しています。3Dの曲面が多い加工(例えばフィギアの様なもの)には、あまり向いていません。
従って、2D CADからのデータをCNC機械に読み取れる形式に変換して工作機を動作させ加工していく様な加工作業がメインになります。
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