今回は、米Beats社のヘッドフォンとイヤフォンを取り上げたいと思います。同社の製品の特長を簡単に表すならば、音質、デザイン、スマートデバイスとの相性、まさに三拍子そろったデジタル・オーディオ時代の逸品と言えるでしょう。
Beats社とは
ヒップポップ界の名プロデューサー、Dr. Dreとレディガガなどのトップアーティストが所属するインタースコープレコード社長、Jimmy Iovineにより、2006年に設立されました。そして、その製品の最大の特長は、次の3つと言えます。
・音作りのプロが監修した音質へのこだわり
・クールなデザイン
・iPhone等のスマートデバイスとの相性の良さ
その圧倒的な魅力ゆえ、僅か数年で米国におけるトップメーカーにまで成長し、その影響力を背景に音楽配信サイト、Beats Musicでも大きな成長を遂げています。また今年5月には、米Apple社が同社を30億ドルで買収する事が発表され大きな反響を呼びました。
Beats社製品の特長
本サイトは、「ものづくり」のサイトですので、同社の製品の技術的な特長を見ていきたいと思います。モデルやヘッドフォン/イヤフォンにより多少違いがありますが、項目ごとに列挙してみます。
音質関連
1) 独自開発のデジタル・サウンド・プロセッサ、Beats Acoustic Engine
→大音量でも鮮明な高音、明瞭な中音、歪みのない重厚な低音域を実現。
2) チタンニウム・コーティングのワイドレンジ・ドライバーユニット
3) アタプティブ・ノイズ・キャンセレーション
技術と仕様関連
4) 充電式リチウムイオン電池を採用
→20時間の長時間再生を可能で、充電もアダプター、USB経由双方に対応。
5) iPhone、iPad、iPodなどのApple社製デバイスとの相性の良さ
6) インラインマイク
→搭載されている小型マイクで、iPhoneの通話が容易に可能
デザインと機能関連
7) 高級感のある素材とクールなデザイン
8) 通気性と柔軟性を兼ね揃えた特殊素材のイヤーパッド
9) 折りたたみ可能で専用キャリング・ケース付属
もはや昔の事かも知れませんが、このようなにこだわった物の作りこみは日本メーカーが得意だった様に思えます。この製品を見て、現場でくやしい思いをした人は結構いるのではないでしょうか。まさに求めていた理想を全て先にさらわれてしまった感があります。
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ちなみに、あまりの人気に一時期は偽物まで出ていた様です。
Beats社成功にみる「ものづくり」のヒント
「ものづくり」の哲学やスタンスとして、Beats社とApple社は元々非常に近かった様にも思え、今回の買収劇となった事は、ある程度納得できます。
成熟した市場と思われていたヘッドフォンやイヤフォンにおいても、徹底したクオリティと切り口で市場開拓が可能である事の証左でしょう。
自分の本当に欲しいものを作りたいという創業者の情熱が全ての源になるという事が、Beats社の成功から学べる「ものづくり」のヒントではないでしょうか。
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