GPLの概要

GPL(GNU General Public License)は、フリーソフトウエアのライセンスで、もっとも普及している形態の一つです。今回は、このGPLの概要を解説します。

GPLの概要

Free Software Foundation(FSF)が定めたソフトウェアライセンスで、次の4つを基本理念としています。

0.<第0の自由>目的に関わらず、プログラムを実行する自由
1.<第1の自由>プログラムの動作を研究し、必要に応じて修正し改変する自由 (ソースコードが入手可能であることが前提条件となる)
2.<第2の自由>コピーを再頒布する自由
3.<第 3 の自由>プログラムを改良し、コミュニティ全体が恩恵を享受できる様に 改良点を発表する自由(ソースコードが入手可能であることが前提条件となる)

GPLは、GNUプロジェクトで開発されたソフトウェアを始めとする多くのフリーソフトウエアで採用されており、ソースコードの公開、改変および再配布の自由、コピーレフトが最大の特徴です。

GPLv2とGPLv3の違い

GPLには幾つかのバージョンがあり、1991年策定のGPLv2と2007年策定のGPLv3が主流です。GPLv3の基本的な理念は、GPLv2と同様ですが、注意すべき変更点が幾つか存在します。

1. 特許のライセンスに関する規定
GPLv3には、下流の受領者に対する必須特許の無償ライセンスが明記されています。

2. 特許の非係争義務(NAP)の明文化
GPLv3では、特許侵害訴訟の提起が禁止されています。すなわち、無償の特許ライセンスを供与することを意味します。

3. インストール用情報の開示義務
GPLv3には、Tivoization(*)対策に関する内容も追加されています。GPLv3を組み込んだ製品については、ソースコードだけでなく、インストール用情報の開示も義務付けています。

(*)Tivoization
プログラムの改変自体は可能だが、改変プログラム実行時に、認証キー等が
要求されて、それらが無くては改変ログラムをその機器で実行できないような仕組み

4. DRM(Digital Rights Management)への対処
GPLv3では、DRM回避を禁止する法的権利を放棄することが明記されています。

GPLの注意事項

実際に、GPLv3のソースコードを作成する際の注意事項をまとめておきます。

【義務】
・著作権情報の表示
・変更箇所の明示
・ソースコードの開示

【許可】
・商用利用
・修正および(再)配布

【禁止事項】
・サブライセンス

【その他】
・無保証(ソースコード作成者の免責)

→その他のRapid Prototyping関連情報

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