CNC工作:送りねじ機構

CNC工作は、対象物をXYZ方向に移動させて正確に切削を行いますが、ステージ等を任意の方向へ移動する仕組みは、どうなっているのでしょう。

CNC工作の基本原理

CNC工作の基本原理は、先ほど述べた通り工作対象物をXYZ方向に正確に移動させながら切削を行う事です。

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実際に正確に移動させるには、どの様な方法を用いているのでしょうか。

送りねじ

方法は幾つかありますが、良く使用される「送りねじ」を例として取り上げたいと思います。送りねじ機構では、スライドシャフトやスライドレール等の部品で正確な直線軌道を確保した上で、移動させる力の伝達は送りねじと呼ばれる長ねじを使用します。

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送りねじを受ける機構(ナット)にもネジ溝を切っておいて、送りねじを回転させると機構(ナット)側が移動するのが基本原理です。機構(ナット)側にステージやスピンドルを取り付けておけば、任意の方向に移動する事ができます。つまり送りねじを1回転させると、ネジ溝の間隔分だけステージやスピンドルが移動する事になります。

バックラッシュ

送りねじの機構では、バックラッシュと呼ばれる揺り戻しが見られます。これは送りねじと機構(ナット)側のねじ溝に若干の隙間(遊び)が存在する事に起因しています。

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この為、機構(ナット)側を移動させると僅かながら偏りズレが生じます。
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このズレは、移動方向が変わると逆向きになります。
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このズレは非常に小さなものですが、CNC工作における加工誤差となり、バックラッシュと呼ばれます。バックラッシュについては、構造自体を工夫したり、ある程度の期間は機械において一定である性質を利用して制御プログラム側で補正する等の対策で対応する事ができます。

動力やドライバー回路

送りねじを回転させる動力としては、ステッピングモーターやサーボモーターが良く使用されます。モーターと送りねじは、カップリングと呼ばれる部品で結合されます。またモーターの動きを正確に駆動・制御するドライバー回路と呼ばれる回路を搭載した基板が必要になります。

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カテゴリー: CNC