Eagle Ver.7には、LTspiceとの連携機能があります。今回は、この機能の内、Eagleの回路図をLTspiceの回路図にExport(出力)する機能を取り上げたいと思います。
Eagleの回路図設計
Eagle Ver.7でLTspiceへ回路図をExport(出力)する場合、管理者権限が必要になる場合があるので、管理者権限でEagleを起動します。
(Run Eagle as an Administrator)
この例では、Libraries/ltspice下の部品を使用します。
ウインドウ左側にあるAddアイコンをクリックします。
この例では、Linear Technology社のスイッチング・レギュレーター LTC3564の推奨回路を設計していきます。
LTC3564S5を配置します。
電源を配置します。
グラウンド(0電圧)を配置します。
他の受動部品を追加していきます。
インダクタを配置します。
容量を配置します。
ここまでに配置した部品です。
抵抗を配置します。
部品のプロパティ設定は、ウインドウ左側のInfoアイコンをクリックして行います。少しわかりにくいですが、部品の+印がある場所を左クリックすることでプロパティ設定メニューを表示する事が出来ます。
(Left-click to select object to get info for)
抵抗のプロパティ設定メニューです。
この例では、全ての部品を推奨回路の定数に設定しています。
(Example Schematic for LTspice)
以上で回路図自体の設計が終了したので、Export(出力)の作業に移っていきます。
LTspiceへのExport
回路が完成したら、ウインドウ上部にある、LTC Spice→Exportを選択します。
LTspiceのライブラリにシンボルがない場合等には、次のメッセージが表示されますが、OKボタンをクリックして先に進みます。なお、管理者権限で起動していないと以下の作業が上手くいかない場合があります。
Eagleのライブラリが開きます。まず、この部品をLTspiceのライブラリにExport(出力)する必要があります。
ウインドウ上部のLTC spice→Exportを選択します。
Export(出力)する対象を選択するメニューが表示されます。この例では、LTC3564のみをExport(出力)の対象にする設定を選択しています。
Export内容を確認するメッセージが表示されます。OKボタンをクリックして先に進みます。
以上で、シンボルのExport(出力)は終了です。再び回路図に戻ってExport(出力)作業の続きを行います。ウインドウ上部のLTC spice→Exportを選択します。
Eagleの回路図がLTspiceの回路図にExport(出力)されます。以降は、Eagleでの作業ではなく、Exportコマンドで生成されたLTspiceでの作業になります。
なお、LTspiceの回路図は、プロジェクトディレクトリ中に出力されています。
LTspiceでのシミュレーション
Export後、LTspiceの回路図で実際にシミュレーションを行う事が出来ますが、若干、定数表示のずれなどが生じる場合があるので、LTspiceのMoveコマンドで整理します。
Spiceのコマンド設定等を追加してシミュレーション可能な回路に仕上げます。
LTspiceのRunアイコンをクリックして、シミュレーションを開始します。
シミュレーションの結果が表示されます。この例では過渡解析を行っていますが、LTC3564が起動して一定電圧になる様子を確認できます。
以上が、EagleとLTspiceの連携機能の一つであるExportの使用方法です。LTspiceの使い方については、LTspice関連情報のページにまとめてありますので、参考にしてみて下さい。
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