LTspice入門:シンボルのAttribute Editor 設定

LTspiceの”Attribute Editor”の設定で、生成されるSPICE Netlistが変わります。

Attribute Editorの設定項目

Windows版、Mac版それぞれ下図の様なメニューになっています。

(Windows版 Symbol Attribute Editor)
ltsp_win_sym_edit_att_edit_2

(Mac版 Attribute Editor)
ltsp_mac_sym_view_atrtable_2
“Attribute Editor”には次の設定綱目があります。

Prefix:
接頭辞でR、L、C、M、Xなどデバイスに対応したものを指定します。接頭辞は通常のSPICEに準じます。
SpiceModel:
Netlistに記述される第1の要素です。インクルードするSPICEモデルファイル(.lib)を指定しますが、通常は空白となっている事も多いです。
Value:
Netlistに記述される第2の要素です。
Value2:
Netlistに記述される第3の要素で、更なる情報を渡す場合に使用します。基本的には、この属性を使用すると回路図上に置かれたシンボルを右クリックしても、”Component Attribute Editor”が起動しなくなり編集ができなくなります。従ってリニアテクノロジー提供のコンポーネントは、Value2に値が入っている事があります。
SpiceLine:
Netlistに記述される第4の要素です。”Value”以外の情報の受け渡しに使用します。
SpiceLine2:
Netlistに記述される第5の要素で”SpiceLine”と同様ですが、受渡し(記述)の順番は後になります。
Description:
“Select Component Symbol”メニュー(シンボルブラウザ)で、この説明が表示されます。
ModelFile:
ライブラリをインクルードする場合、そのファイル名を指定します。

生成されるSPICE Netlsit

生成されるSPICE Netlistは、次の様になります。

(1)デフォルトのフォーマット
デフォルトで生成されるNetlistは次のフォーマットになります。
[Name] node1 node2 … nodeN [SpiceModel] [Value] [Value2] [SpiceLine] [SpiceLine2]

[Name]は、”Prefix”と”InstName”を連結したものになります。
続いて Netlist Orderに対応したポートに対応したネット名、node1 node2 … nodeNが続きます。また空欄の項目は省略されます。

(2) Prefixが”X”で、ValueとValue2が定義されている場合
この条件では、以下のフォーマットでNetlistが生成されます。

.lib [SpiceModel]
[name] node1 node2 … nodeN [Value2]

この場合、回路図からコンポーネント(シンボル)の編集が出来ません。リニアテクノロジーが提供するモデルの場合に、この形式をとっている事が多いです。なおLTspiceが自動的に処理して、.libステートメントの重複は起こりません。

(3) Prefixが”X”で、ModelFileが定義されている場合

.lib [ModelFile]
[name] node1 node2 … nodeN [SpiceModel] [Value] [Value2] [SpiceLine] [SpiceLine2]

自動的にモデルファイルをインクルードしたい場合で、かつ回路図からコンポーネント(シンボル)の編集も行いたい場合に、この設定を選択します。

[SpiceModel]の値があり、[ModelFile]中に対応する名前のサブサーキット定義がある場合、回路図からコンポーネント(シンボル)を編集する際に、[ModelFile]中にある全サブサーキットがドロップダウンリストで表示されて選択する事ができます。

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